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背骨治療の専門医に聞いてみました

腰の痛み・足のしびれは背骨の神経が圧迫される腰部脊柱管狭窄症が原因かもしれません

須賀 雄一先生
総合新川橋病院 整形外科部長 脊椎・脊髄センター長
Dr. PROFILE
資格:日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科指導医、日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医、日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医、厚生労働省認定義肢装具等適合判定医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター
Q
リハビリはどのように進めますか?
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術後のリハビリは、基本的には翌日、ベッドサイドで車いすに乗ることから始めます。
術後2日目にはリハビリ室に通い、理学療法士のもとで筋力トレーニングや歩行訓練を行います。翌週には階段昇降にも取り組み、患者さん自身が自宅での日常生活に自信を持てるようになったら退院です。高齢でリハビリが進みづらく、退院後は一人暮らしになるので不安という方には、回復期リハビリテーション病棟をご紹介しそちらに移ってリハビリを継続していただく方法もあります。

Q
気になるしびれは、術後すぐにとれますか?

しびれについては、手術を受けてもなかなか完全にはとれないという方がいます。レントゲン画像やMRI画像で見る限り、脊柱管の狭窄はなくなり十分に広がっていても、術前の神経のダメージが大きかった場合などは特にそうした傾向がみられます。主治医の先生とコミュニケーションを取りながら、術後も適切に薬を飲んだり、リハビリに取り組んで、根気よく治療を続けていくことが大切です。数カ月単位で様子をみることで、少しずつ改善していくケースもあります。

Q
退院後の生活で気をつけることはありますか?

健康な体を維持するために、筋力アップと柔軟性の確保に努めてください。入院中はリハビリを頑張っていたのに、自宅に戻るとおろそかになってしまうのは残念なことです。定期的に受診しチェックを受けながら、やる気を維持するのが大切です。最近では、スマートフォンにも万歩計機能が付いていますので、それを励みにウォーキングを行うのも良いと思います。全身の筋力アップにつながる水中ウォーキングは特におすすめです。
運動制限は特に設けていませんが、ジャンプと着地を繰り返すような動きは好ましくありません。それ以外でも、運動後に腰や足の痛みが現れ、数日間続くようであれば、それは今の体の状態には合っていないということです。負荷を落としたり、もう少し基礎的な運動に切り替えるなどして、無理なく体を動かしましょう。

Q
腰痛や足のしびれなどに悩んでいる方にメッセージをお願いします

腰痛や足のしびれで治療を始め、すでに数カ月間が経過しているのに変化が見られないという場合、今受けている治療法ではなく、別の治療法が良い可能性もあります。セカンドオピニオンとして、他の脊椎専門医に話を聞いてみても良いと思います。今までの治療内容の確認のため、紹介状を書いてもらうのが望ましいですが、「他を紹介してほしい」と言い出しづらければ、ご自身で専門医を調べて訪ねても良いでしょう。
専門医にかかると手術が前提になるのでは、といった心配は不要です。保存的治療などで症状が緩和される可能性もありますから、ご自身に合った治療法を専門医と相談しながら見つけてください。