
背骨治療の専門医に聞いてみました
椎体骨折は骨粗鬆症だけでなくがんの転移が原因となることも。低侵襲手術などさまざまな治療選択肢があります

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CHAPTER01加齢とともに骨がもろくなり椎体骨折のリスクが上がる
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CHAPTER02高齢者にも負担が少ない経皮的椎体形成術
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CHAPTER03〝がん治療の中継ぎ〟として整形外科が新しい役割を果たす
体を支えるための重要な役割を果たしている背骨が、加齢とともに骨がもろくなることでつぶれるように骨折することを椎体骨折と呼びます。椎体骨折をそのままにしていると姿勢が悪くなり、腹部も圧迫されて健康に大きな影響を及ぼしてしまいます。椎体骨折の原因や治療について、近畿大学奈良病院の戸川大輔先生に伺いました。
Q
高齢者の背中の痛みは「背骨の骨折」が原因になっていることがあると聞きました


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背骨は「椎体」と呼ばれる24個の小さな骨が並んでできています。この椎体が押しつぶされて起きる骨折が椎体骨折です。原因には大きく「骨粗鬆症」と「がんの骨転移」があります。
数が多いのは圧倒的に前者ですが、近年のがん患者の増加にともなって、後者の例も増えてきています。
Q
特に女性は閉経後のホルモンバランスの変化で骨がもろくなるといわれます
骨粗鬆症は50代以降の女性によくみられますが、骨密度が低いと、転んだり、重いものを持ち上げたりした衝撃で椎体がクシャッとつぶれてしまうのです。場合によっては、そのようなきっかけもないのに、「いつの間にか骨折」といわれるように、日常生活で知らないうちに骨折していることもあります。椎体骨折の特徴として、起き上がったり、立ち上がったりする「動きはじめ」の瞬間に背中に痛みが生じます。逆にいうと、じっとしていると痛くないので、そのまま放置してしまうことが少なくありません。しかし時間が経つと骨が変形したまま固まってしまって姿勢が悪くなり、慢性的な腰背部痛や逆流性⾷道炎など健康に悪影響が出ることがあります。
Q
どのような症状がある場合に受診すればいいのでしょうか?


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動きにともなって出る腰背部痛が続くようなら早く専門医を受診してほしいと思います。
痛みは必ずしも背中だけに出るわけではありません。背骨が折れているのに、脇腹、腰、お尻あたりの痛みを訴える方も多いのです。肋骨や腰に異常がなくても、動くと痛い場合は脊椎外科の受診を考えてみてください。MRIを撮れば正確に診断できますから、原因不明の痛みがある場合はMRI検査の受けられる医療機関で診てもらうのがいいですね。というのも、レントゲンで背骨の状態を正確に診断するのは意外に難しく、椎体骨折を疑いながら、姿勢を変えて複数枚撮影しなければ見つけられない場合があるのです。