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背骨治療の専門医に聞いてみました

腰部脊柱管狭窄症 骨粗鬆症性椎体骨折悪化してしまう前に整形外科に相談を

佐久間 吉雄先生
医療法人社団誠馨会 千葉中央メディカルセンター 副院長 脊椎脊髄センター長 整形外科主任部長
Dr. PROFILE
専門:脊椎外科
資格:日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医、日本整形外科学会認定脊椎内視鏡下手術・技術認定医、日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科指導医
Q
術後の生活、およびリハビリテーションについて教えてください
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手術直後の痛みに関しては麻酔科と十分に検討して術前から薬や注射などで対応していきます。それまでの病気による痛みやしびれは手術によって軽減されますので、多くの方が痛みを抑えた状態でリハビリを開始することができます。どの手術であっても基本的には手術の翌日にベッドから起きていただき、立ったり歩いたりする練習を始めていきます。安静にしていたほうかいいと思われるかもしれませんが、寝ていることで筋力を低下させるので、患者さんのためには良くないのです。筋力トレーニングがとても大切で、リハビリは理学療法士がその方にあったプログラムを作りますので、それを実施してもらうことになります。
入院期間については個人差がありますが、内視鏡を使った手術では5日間程度、経皮的椎体形成術では3日間程度となります。椎体置換術で手術を2回に分けて行う場合は、1か月ほど入院が必要なケースもあります。

Q
退院後の日常生活において、気をつけることや心がけるべきことは何ですか?

退院後も、特に骨粗鬆症性椎体骨折の場合は定期的に通院していただき、骨粗鬆症の治療を継続していただきます。また動かないで安静にしていると筋力が落ち、骨粗鬆症も進行するので、散歩やラジオ体操などの軽めの運動をお願いしています。激しいコンタクトスポーツ以外であれば、スポーツの制限はなく、ゴルフやテニス、水泳などをされる方もいらっしゃいます。日常生活においても、無理しなければ特に制限はありません。

Q
現在、腰の痛みや足のしびれなど、症状に悩んでいる方へ先生から一言お願いします
骨密度検査
骨密度検査
骨密度検査
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お伝えしたいのは、ちょっとでも痛みやしびれがあったら我慢しないで、すぐに整形外科へ受診していただきたいということです。検査をして早い段階で原因がわかれば、より適切な対応を取ることができます。麻痺や排尿障害などの症状がひどくなってからではすでに病気が進行していることが多く、そうなると残念ながら治療の選択肢も減っていきます。
そして、骨密度はぜひ定期的に測っていただきたいと思います。薬を飲んでいるから大丈夫と話される方がおられますが、同じ薬を飲んでいても、人によっては効いていないケースがあります。骨代謝マーカーという血液検査を行えば、ご自身の薬が合っているかどうか調べることができます。骨粗鬆症の治療を続けてきて、この検査をされたことがない方は、一度検査されてみてはいかがでしょうか。