松崎 浩巳先生
医療法人社団苑田会 苑田第3病院内 東京脊椎脊髄病センター 顧問
Dr. PROFILE
資格:日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会脊椎脊髄病医、日本脊椎脊髄病学会外科名誉指導医、医学博士
老化による後弯は、程度の差はあっても誰にでも現れてくるものです。予防としては、日常生活でいつも姿勢を良くするよう心がけましょう。背筋を伸ばした良い姿勢を保つことは、自然と背中の筋力強化にもつながり、体幹を鍛えられます。また、早歩きやジョギング、水泳などの全身運動により、心肺機能を高めて細胞を若く保つことも大切です。実際、若い頃にそうした運動習慣があった方は、骨量が多いために閉経後も骨粗しょう症になりにくく、腰曲がりが進みにくい傾向があります。あわせてバランスの良い食事を取ることも大事です。
腰痛や、長く歩くのがつらいなど感じるようになるのが軽度の腰曲がりです。進行すると腰痛がさらに悪化し、長い時間立っていられず支えが必要になったり、歩行時に腰痛や太ももに痛みが出てきます。さらに、お腹が圧迫されて胃の中のものが食道に逆流する逆流性食道炎(逆流性胃食道症)や、胸の圧迫による呼吸機能の低下を引き起こすこともあります。こうした身体の問題に加えて、年齢以上に老けて見えてしまうことで精神的な苦痛を感じ、引きこもり気味になってしまう方も少なくありません。