梅林 猛先生
東京脊椎クリニック 院長
所属学会:日本脳神経外科学会、日本脊髄外科学会、日本脊椎脊髄神経手術手技学会
リハビリは基本的には手術翌日から行います。といっても激しくくびを動かしたりするわけではなく、ベッドを離れて歩いたりなど、退院後の暮らしに備えた日常動作が中心になります。術前、手足に力が入らないなど麻痺が起きていた患者さんは、理学療法士の指導のもと一人ひとりに合わせたリハビリに取り組みます。
手術直後は正しい姿勢を保つためにカラーという装具をつけて過ごしますが、くびの筋力を低下させないよう、あまり長期間の使用は控えます。
退院後は、特別大きな日常生活の制約はありませんが、あまり重い荷物を持つのはくびに負担がかかりますので、なるべく避けるようにします。スポーツについては、散歩や軽いジョギングなどは自分で様子をみながら問題なく行えます。それ以外のスポーツは、術後3~6カ月程度を目安に主治医と相談のもと徐々に再開しましょう。
また手術後は定期検診に通うようにし、術後の経過に問題がないことを確かめていくことが大切です。
まずは脊椎専門外来を受診して、何が原因なのかをはっきりさせることを第一に考えてほしいと思います。それによって対処の仕方も変わってきます。「手術が必要といわれるのが怖いから」という理由で受診を避ける人もしばしばいらっしゃいますが、手術以外の方法で症状が改善するケースも少なくありません。
お薬やリハビリなどでは効果が得られず手術を検討する場合は、「くびの手術は一生もの」として考えることが大切です。術前・術後を通して長く経過をみていく必要があり、治療を進める中で病院を移るのはできれば避けたいものです。担当医師とは長期間付き合っていくことになりますので、「この先生ならずっと安心して診てもらえる」とご自身が信頼できる先生を見つけてください。不安な点があれば何でも相談し、解消した上で手術について検討されることをお勧めします。